第9章 運営と改善/3 本目 / 全 5/約20分

ゲームを「動く名刺」にする

こより

「作れます」より「作りました」が強いよ。URLを1本だけ渡して、売り込まずに見てもらおう!

案内役 こより
この術でできるようになること

見せると話が始まる

なぜ要るか

ここまでで、URLを1本持っています。これは想像以上に強い持ち物です。

「AIで開発できます」と言うのと、「これを作りました」とURLを出すのでは、相手の反応がまったく違います。

前者は説明が必要で、後者は説明が要りません。触れば分かるからです。

この術は、作ったものを話の入口に変える回です。名刺は渡すと相手が読んで、そこから話が始まります。動くものを渡すと、読むかわりに触ってもらえます。だから「動く名刺」と呼んでいます。

使う道具: なし(8章で公開したURL)

AIプロンプト

この術の作業をAIへ任せるときは、これをそのまま貼ってください。

下のゲームを人に見せたとき、来そうな質問を10個挙げてください。
意地悪なものも混ぜて。特に「何で作ったか」「権利は大丈夫か」を厚めに。
(ここへURLと、使った道具・素材の一覧を貼る)

(ここへURLと、使った道具・素材の一覧を貼る)の部分は、自分の公開したURLと、使った道具・素材の一覧に置き換えてください。

「作れます」より「作りました」

僕が実感しているのはここです。

言い方 相手の反応
AIで開発できます 「へえ」で終わる。信じる根拠が無い
これを作りました(URL) 開く。触る。質問が出る

質問が出るのが目的です。質問が出れば、そこから会話になります。

そして質問はたいてい同じところに来ます。

「これ何で作ったんですか」
「どれくらいかかりました」
「絵はどうやって用意したんですか」

この3つに答えられれば十分です。 1章から8章までやってきたなら、全部答えられます。

見せる形を整えます

同じゲームでも、渡し方で開かれるかどうかが変わります。

整えること 理由
URLは1本だけ渡す 選ばせると開かれにくくなる
スマホで開ける 相手はその場で開く。8-5で確認した項目
30秒で何か起きる 説明を読ませない
音が勝手に鳴らない 人前で開かれることがある

4番目を軽く見ないでください。 打ち合わせや電車の中で開かれます。5-2で「既定は音が出ない」にしたのが、ここで効きます。

そして一番効くのが 30秒で何か起きる ことです。開いてすぐ「何をすればいいか分からない」状態だと、閉じられやすくなります。6-3で説明なしで操作できる形にしたのは、このためでした。

この講座の見本ゲームも、その形にしてあります。渡すのはこのURL1本だけです。

https://ichinin.kenty.app/game/

インストールも登録も要らず、開けばそのまま遊べます。「これを作りました」の一言と一緒に投げれば、それで動く名刺です。

相手によって見せ方を変えます

同じURLでも、話す内容を変えます。

相手 見せるもの
遊んでくれそうな人 作品として。 遊び方だけ
作りたい人 工程として。 どう作ったか
仕事の相手 できる範囲として。 何が作れるか

混ぜないでください。 遊びに来た人に工程を語ると退屈します。逆に、作りたい人へ遊び方だけ説明すると、聞きたかったことが聞けません。渡す前に、相手がどれなのかを1つ決めておきます。

仲間には売り込まない

これは僕が決めていることです。一緒に作っている仲間や、同じ界隈の人には、売り込みをしません。

見せるのは作品としてだけです。登録の案内も、商品の案内も付けません。

理由は単純で、関係が壊れると作れなくなるからです。仲間は、感想をくれたり、素材を貸してくれたり、一緒に遊んでくれる相手です。そこを売り先として扱うと、その全部が失われます。

見せる相手と、売る相手を分ける。 これは技術ではなく態度の話ですが、長く続けるうえで一番効いています。

権利を説明できる状態にします

見せると必ず聞かれます。「これ使って大丈夫なの」

だから先に答えを用意します。

確認すること どこで扱ったか
キャラの権利 4-1(二次創作が許されているか)
絵・音・動画の利用範囲 1-7、4-1、5-2(道具ごとの規約)
使った素材の出どころ どこから持ってきたかを言えるか

1番目の二次創作とは、他の人が作ったキャラや世界を使って自分の作品を作ることです。許されているかどうかは持ち主が決めていて、公開している条件を読めば分かります。

「たぶん大丈夫」では見せられません。 公開している以上、聞かれたら答えられる状態にしておきます。

そして答えられない素材は外してください。 1つのグレーな素材のために、作品全体が見せられなくなります。

1本に絞ります

見せるものは1本だけにしてください。

3本見せると、どれも触られないことがよくあります。選ぶ手間が、開く前のひと山になるからです。

選び方はこれです。

選ぶ基準 理由
完成しているもの 途中のものは説明が必要になる
30秒で伝わるもの 説明の要らないものが強い
自分が説明したいもの 質問に答えるのが楽しいもの

未完成のものを見せて「まだ途中なんですけど」と言うと、相手は評価を保留しがちです。 見せるなら、途中でも「ここまでは完成」と言える切り口を選びます。

やってみる

  1. 1本選ぶ

    完成しているものを1つ。迷ったら、いま公開しているものです。

  2. スマホで開いて30秒見る

    ここで判定します。30秒で何か起きますか。 判定の仕方は簡単で、開いてから30秒のあいだに、説明を読まずに1回でも操作できたかを見ます。読まないと何もできないなら、まだ渡さないでください。

  3. 質問3つの答えを用意する

    何で作った   → 道具の名前を3つまで
    どれくらい   → 実際にかかった時間
    絵は        → どう用意したか(4-1)
    

    正直に言ってください。 「AIで作りました」で構いません。隠すと次の質問で詰まります。

    来そうな質問は、先にAIへ出させて練習できます。

    下のゲームを人に見せたとき、来そうな質問を10個挙げてください。
    意地悪なものも混ぜて。特に「何で作ったか」「権利は大丈夫か」を厚めに。
    (ここへURLと、使った道具・素材の一覧を貼る)
    

    答えに詰まった質問が、用意しておく答えです。

  4. 権利を1行で言えるようにする

    キャラは〇〇のもので、二次創作が許されている
    絵は〇〇で作った。商用の可否は確認済み
    

    商用の可否とは、その素材や道具の成果物を、お金を取る形で使ってよいかどうかです。無料で見せるだけなら問題にならないものでも、売る段階で条件が変わることがあります。各道具の利用規約に書いてあります。

  5. 1人に渡す

    売り込まないでください。「作ったので見てほしい」だけです。

  6. 質問をメモする

    9-2と同じです。聞かれた質問が、次に用意する答えです。

つまずきどころ

見せるものが無いと感じる

公開しているなら、あります。「小さい」は理由になりません。 動いているものは、動いていない構想より強いです。

恥ずかしい

分かります。ただし見せないと感想が来ないので、良くなりません。 9-2で書いたとおり、直す場所は他人から来ます。

説明が長くなる

30秒で伝わらない作りになっています。URLを渡す前に、6-3へ戻ってください。

質問に答えられなかった

その質問の答えを用意してください。次に同じ質問が来ます。 答えが溜まると、見せるのが楽になります。

仕事につながらない

この術の目的は仕事ではなく、話が始まることです。話が始まらないうちに仕事の話をしても進みません。

売り込みたくなる

相手を見てください。仲間なら売り込まない。見せる相手と売る相手を分けるのは、短期の損で長期の得です。

Windows の場合

差はありません。

次の一歩

1人に、URLを1本だけ渡してください。

売り込まず、感想も求めず、「作ったので見てほしい」だけ。そこから何か聞かれたら、この術は成功です。

見せる形になりました。次は、その1人と繋がるところまで持っていきます!

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