なぜ要るか
前の術で数字を見ました。でも数字は「なぜ」を教えてくれません。
2回目を遊んだ人が少ない、という数字は出ます。理由は出ません。 難しかったのか、飽きたのか、そもそも終わったと思ったのか。
だから言葉を集めます。そして集めた言葉を、次に直す1箇所に変えます。
使う道具: webstats
AIプロンプト
この術の作業をAIへ任せるときは、これをそのまま貼ってください。
集めた感想を、反応・観察・要望の3つに分類して。
- 反応: 感想や評価。直す場所を含まない
- 観察: 実際に起きたことの記述。詰まった場所や動作を含む
- 要望: こうしてほしいという依頼
分類したら、観察と要望を内容ごとに数えて、多い順に並べて。
判断に迷ったものは「不明」に入れて、そのまま出して。
この続きに、集めた感想とメモをそのまま貼ってください。
感想は3種類に分かれます
集めた言葉を、まず分けます。混ぜると使えません。
| 種類 | 例 | 使い道 |
|---|---|---|
| 反応 | 「面白そう」「いいね」 | 気分は上がるが、直す場所は出ない |
| 観察 | 「ここで止まってた」「音が出ないと言われた」 | 直す場所が出る |
| 要望 | 「キャラを増やして」 | そのまま実行しない。後述 |
真ん中だけが直接使えます。
そして重要なのは、反応と検証を混同しないことです。「いいね」が100個ついても、遊ばれたかどうかは分かりません。ここを混ぜると、手応えだけあって何も進まない状態になります。
要望はそのまま実行しません
「キャラを増やして」と言われたとき、キャラを増やすのは早いです。
その要望の裏に何があるかを見ます。
| 言われたこと | 裏にありそうなこと | 打ち手 |
|---|---|---|
| キャラを増やして | 同じ相手で飽きた | 相手の反応を増やす方が安い |
| 難しすぎる | 何をすればいいか分からない | 説明ではなく画面を直す(6-3) |
| もっと遊びたい | 1回が短い/終わりが唐突 | 回数ではなく余韻を足す |
要望は「症状」で、直す場所は別のところにあります。 熱が出たときに、熱を下げるだけでは治らないのと同じです。相手は困ったことを感じ取って、思いついた解決策の形で言ってくれます。困ったこと自体は本物ですが、解決策の方は当てずっぽうです。
ただし例外があります。同じ要望が3人から出たら、素直に受けてください。 3人が同じことを言うのは、症状ではなく事実です。
この講座のサンプルゲームでも、これをやりました。最初のサンプルは「数くらべ」で、読者から「つまらない」と感想が来ましたが、直したのは画面や説明ではなくルールです。原因は2-2で決めるはずの「面白さの1行」がサンプル自身に無かったことで、そこから作り直したのが、いまの見本ゲーム「三つの的」です(6-7)。
数を数えます
言葉は感情的に効くので、声が大きい1件に引っ張られます。
だから数えます。
「音が出ない」 3人
「何回勝負か分からない」 2人
「キャラを増やして」 1人
上から直します。 これだけで、直す順番の議論が消えます。
僕は反応を集める仕組みを作って、いまのところ68件を溜めています。 溜める場所は特別なものではなく、1件1行のファイルです。9-1で訪問数を追記したのと同じ形です。溜める理由は数えるためです。1件ずつ読んで判断していると、印象に流されます。
分類は自動にできます
集めた言葉を「反応か、観察か、要望か」に分けるのは、AIに向いた作業です。判断基準を渡せば分けられます。
claude -p "集めた感想を、反応・観察・要望の3つに分類して。
- 反応: 感想や評価。直す場所を含まない
- 観察: 実際に起きたことの記述。詰まった場所や動作を含む
- 要望: こうしてほしいという依頼
分類したら、観察と要望を内容ごとに数えて、多い順に並べて。
判断に迷ったものは「不明」に入れて、そのまま出して。"
claude -p は、対話画面を開かずに、そのまま指示を1回だけ実行させる書き方です。1-3で扱った形と同じです。
最後の1行が効きます。 迷ったものを無理に分類させると、数が歪みます。AIは指示された箱のどれかに必ず入れようとするので、逃げ道を作らないと「観察」の数が実際より多く出ます。
聞き方で結果が変わります
「どうでしたか」と聞くと「面白かったです」しか返ってきません。 相手は気を使います。
だから聞き方を変えます。
| 効かない聞き方 | 効く聞き方 |
|---|---|
| どうでしたか | どこで止まりましたか |
| 面白かったですか | 何回遊びましたか |
| 改善点はありますか | 分からなかった言葉はありましたか |
| 使いやすかったですか | 最初に何をしようとしましたか |
共通しているのは「事実を聞く」ことです。 評価ではなく行動を聞きます。
そして8-5で書いたとおり、一番強いのは黙って見ることです。 聞かずに見れば、気を使われません。
次の一手は1つに絞ります
集めて数えたら、直すのは1つです。
| やってはいけない | やること |
|---|---|
| 全部直してから出す | 1つ直して出す |
| 一番簡単なものを直す | 一番多く言われたものを直す |
2番目に注意してください。 簡単なものから手を付けたくなりますが、それは自分の都合です。多く言われたものを直さないと、次も同じことを言われます。
そして直したら、同じ人にもう一度渡します。 直ったかどうかは、その人しか判定できません。
やってみる
3人に遊んでもらう
多くなくていいです。3人で十分に傾向が出ます。 同じ場所で2人が詰まれば、それは偶然ではなく画面の問題だと判断できます。逆に1人だけの指摘は、その人固有の事情かもしれません。
説明せずに見る
8-5と同じです。質問されたら、答える前にメモします。
言葉を3種類に分ける
反応、観察、要望。反応は数えなくていいです。
数えて並べる
観察: 音の出し方が分からなかった 3 観察: 何回勝負か分からなかった 2 要望: 相手を増やしてほしい 1一番多いものを1つ直す
ここで全部直そうとしないでください。 1つ直して、また見せます。
同じ人にもう一度渡す
「前より分かりましたか」と聞くと、直したことを知っている相手は「分かりました」と答えます。だから聞かずに、もう一度黙って見てください。 同じ場所で止まらなければ直っています。
保存する
git add . git commit -m "感想で一番多かった点を直した" git push
つまずきどころ
感想がもらえない
聞き方が広すぎます。「どうでしたか」ではなく「どこで止まりましたか」に変えてください。答えやすい質問にすると返ってきます。
褒め言葉ばかりで直す場所が出ない
正常です。褒め言葉は反応で、直す材料ではありません。 行動を聞いてください。
厳しい意見でへこむ
数えると楽になります。1件は1件です。 声の大きさではなく件数で見ると、感情から切り離せます。
要望を全部実装してしまった
よくある失敗です。要望は症状として扱ってください。3人以上が同じことを言ったときだけ、素直に受けます。
直したのに同じことを言われる
直した場所が症状で、原因は別のところにあります。上の表を見直してください。
感想が集まりすぎて処理できない
分類と集計をAIに渡してください。人がやるのは「どれを直すか決める」だけにします。
Windows の場合
差はありません。
次の一歩
3人に遊んでもらって、質問された内容をメモしてください。
そして一番多かったものを1つだけ直してください。全部直さないのが、この術のコツです。
言葉が集まるようになりました。次は、作ったものを人に見せる形に変えます!