なぜ要るか
公開しました。ここで多くの人が止まります。反応が無いからです。
でも「反応が無い」は正確ではありません。見られていないのか、開いて止めたのか、遊んで飽きたのか。 どれかが分からないと、次に直す場所が決まりません。
この「どこでやめたか」を、離脱と呼びます。この術の目標に置いているのはそれです。開く前にやめたのか、開いてすぐやめたのか、途中までやってやめたのかで、直す場所がまったく変わります。
この術でやるのは1つです。推測をやめて、数える。
6-6で勝率を数えました。あれは公開前の話でした。ここからは公開後です。
使う道具: Google Analytics、webstats
AIプロンプト
この術の作業をAIへ任せるときは、これをそのまま貼ってください。
訪問数を stats.csv へ毎日1行追記する仕組みを作って。形式は 日付,数字 のカンマ区切り。同じ日に2回実行しても2行にならないように。上書きは絶対にしないで。
stats.csv の部分は、自分が使いたいファイル名に置き換えてください。csv は、1行に値をカンマで並べただけの、いちばん単純な表の形式です。表計算ソフトでもそのまま開けます。
先に正直に書きます
僕はゲームの中の離脱を、まだ測っていません。
いま測っているのは、サイトへの訪問と、SNSの反応です。ゲームの中で「何回目でやめたか」は取っていません。
なので、この術は2つに分けて書きます。
| 部分 | 状態 |
|---|---|
| サイトとSNSを測る | やっている。 毎日1回、自動で集めている |
| ゲームの中を測る | やっていない。 ただし6-5の記録を使えば測れる |
やっていないことを「やっている」ように書かないほうが、あなたの役に立ちます。 どこまでが実績で、どこからが設計かを分けます。
サイトは訪問を測ります
いま測っているものです。
測っている対象 7つ(サイト3つ、SNS4種)
溜まっている量 毎日1回のスナップショット。多いものは103日分
保存の形 1行1日で追記していくだけのファイル
スナップショットとは、その日の数字をそのまま写し取った1行のことです。写真を撮るように、毎日1回、その時点の数字を控えておきます。
大事なのは、毎日1回、同じ形で溜めることです。
理由は、あとで比べるためです。いまの数字だけ見ても何も分かりません。先週より増えたのか減ったのかで、初めて意味を持ちます。
追記だけにします
6-5で「起きたことを残す」と書きました。統計も同じです。
| やり方 | 結果 |
|---|---|
| 最新の数字で上書き | 過去が消える。比べられない |
| 1日1行を追記 | いつでも遡れる |
上書きしないでください。 統計の画面はたいてい過去に遡れる期間が決まっていて、後から欲しくなったときには消えています。
僕は一度これで困りました。だから自分の手元に、毎日コピーを取るようにしています。
ゲームの中は「記録」で測ります
ここが設計の話です。新しい仕組みは要りません。 6-5で作った記録がそのまま使えます。
6-5では、1回ごとにこう残しました。
{ "round": 1, "mine": "ichi", "theirs": "yon", "result": "lose" }
読み方はこうです。「1回目の勝負で、自分は ichi の札、相手は yon の札を出して、負けた」。これが1回ごとに1件ずつ増えていきます。
これが溜まると、こういうことが分かります。
| 知りたいこと | 記録から出す方法 |
|---|---|
| どこでやめたか | 記録が何回目で途切れているか |
| 難しすぎないか | 1回目で負けた人の割合 |
| 飽きられていないか | 2回目を遊んだ人の割合 |
| 使われない札 | 出された回数が極端に少ない札 |
1番目が「離脱」です。 5回勝負なのに記録が2件で終わっている人が多ければ、そこでやめられています。
そして4番目が地味に効きます。 誰も出さない札は、弱いか、意味が分かっていません。6-6の測定では見つからない問題です。
三つの的なら、材料はすでにあります。6-5で残した記録には、1手ぶんに「何手目・自分がどの札をどの的へ・相手がどの札をどの的へ」が入っているので、的ごとに置かれた札の数字を数えれば、どの的が取りに行かれて、どの的が捨て場所にされているかが出ます。 3つの的は仕組みのうえでは同じものなので、偏りが出たら並び順や名前の見え方が効いている、と読めます。
手元に溜めるか、送るか
ここで判断が必要です。6-4と同じ話です。
| どこに溜めるか | できること |
|---|---|
| ブラウザの中 | 自分の遊び方しか分からない |
| サーバーへ送る | 全員の遊び方が分かる。ただし置き場と本人確認が要る |
遊ぶ人の記録を集めたいなら、送る必要があります。 そしてそれは「他人のデータを預かる」ことなので、6-4で書いたとおり軽い判断ではありません。
最初は送らないでいいです。 自分と、遊んでくれた数人に聞く方が速いです。人数が増えてから考えます。
数字を見るときの決めごと
測り始めると、数字に振り回されます。先に決めておきます。
| 決めごと | なぜ |
|---|---|
| 見るのは週1回 | 毎日見ても増減の意味が分からない |
| 見る数字は3つまで | 全部見ると何も判断できない |
| 比べる相手は過去の自分 | 他人の数字と比べても打ち手が出ない |
| 増減の理由を1つ書く | 書けないなら、まだ測る意味が無い |
3番目が効きます。 他人の数字を見ると落ち込むだけで、次の行動が出てきません。
そして4番目が一番大事です。 「増えた/減った」で終わる観測は、続けても何も変わりません。理由の仮説を毎回1つ書いてください。当たっていなくて構いません。
やってみる
測る対象を1つだけ決める
まずサイトの訪問だけにしてください。SNSもゲームの中も、後です。
測る仕組みを入れる
置き場の管理画面に、訪問の数を見る機能が付いていることが多いです。まずそれで足ります。
足りなくなってから計測タグを入れてください。 計測タグとは、Google Analytics のような計測サービスが用意している短いコードで、ページに貼り付けると訪問が記録されるようになります。この講座のサイトには、まだ入れていません。
手元に毎日1行を残す
自動にするのは7-3でやった形と同じです。
毎日1回、数字を取って、1行追記する最初は手で書いても構いません。続けられる形が正解です。
手書きが続かなくなったら、仕組みにする作業をAIへ渡します。
claude -p "訪問数を stats.csv へ毎日1行追記する仕組みを作って。形式は 日付,数字 のカンマ区切り。同じ日に2回実行しても2行にならないように。上書きは絶対にしないで。"「上書きはしないで」を必ず入れてください。 この術の芯(追記だけにする)が、指示の1行になっています。
1週間分溜めてから見る
1日目に見ないでください。溜まっていない数字からは、何も出ません。
増減の理由を1つ書く
7/30 訪問が増えた → 前日にSNSへ投稿したから、たぶん「たぶん」で構いません。 書いておくと、次に同じことをしたときに検証できます。
保存する
git add . git commit -m "訪問の記録を毎日残すようにした" git push
つまずきどころ
数字が小さすぎて意味がなさそう
最初は必ずそうなります。それでも記録してください。 増えたときに「いつから増えたか」が分かるのは、記録があるからです。
毎日見てしまう
見るのは週1回に決めてください。日々の上下は、ほとんど意味がありません。
他の人の数字と比べて落ち込む
比べる相手は先週の自分だけです。規模が違う相手と比べると、打ち手が出ません。
どの数字を見ればいいか分からない
まず訪問数だけです。次に「2回目に来た人がいるか」。1回目は宣伝で来ますが、2回目は中身が良かったから来ます。だから、この2つ目が「作ったものが効いているか」を映します。この2つで、ほとんどの判断ができます。
遊ぶ人の記録を集めたい
送る仕組みが必要で、他人のデータを預かる判断になります。遊んでくれた人に直接聞く方が、最初は速くて正確です。 それは次の術でやります。
測ったのに何も変わらない
理由の仮説を書いていないからです。数字は行動を決めるためにあります。 見るだけなら測らなくていいです。
Windows の場合
差はありません。
次の一歩
今日の訪問数を1行、どこかに書いてください。
明日も書いてください。それが1週間続いたら、この術は身についています。 道具は後から良くできますが、続ける習慣は後から作れません。
数字が見えるようになりました。次は数字では出てこない「言葉」を集めます!