第9章 運営と改善/1 本目 / 全 5/約25分

遊ばれ方を数字で見る

こより

反応が無い、で止まらないで。毎日1行だけ追記しておくと、いつから変わったかが見えるよ。

案内役 こより
この術でできるようになること

どこで離脱したか分かる

なぜ要るか

公開しました。ここで多くの人が止まります。反応が無いからです。

でも「反応が無い」は正確ではありません。見られていないのか、開いて止めたのか、遊んで飽きたのか。 どれかが分からないと、次に直す場所が決まりません。

この「どこでやめたか」を、離脱と呼びます。この術の目標に置いているのはそれです。開く前にやめたのか、開いてすぐやめたのか、途中までやってやめたのかで、直す場所がまったく変わります。

この術でやるのは1つです。推測をやめて、数える。

6-6で勝率を数えました。あれは公開前の話でした。ここからは公開後です。

使う道具: Google Analyticswebstats

AIプロンプト

この術の作業をAIへ任せるときは、これをそのまま貼ってください。

訪問数を stats.csv へ毎日1行追記する仕組みを作って。形式は 日付,数字 のカンマ区切り。同じ日に2回実行しても2行にならないように。上書きは絶対にしないで。

stats.csv の部分は、自分が使いたいファイル名に置き換えてください。csv は、1行に値をカンマで並べただけの、いちばん単純な表の形式です。表計算ソフトでもそのまま開けます。

先に正直に書きます

僕はゲームの中の離脱を、まだ測っていません。

いま測っているのは、サイトへの訪問と、SNSの反応です。ゲームの中で「何回目でやめたか」は取っていません。

なので、この術は2つに分けて書きます。

部分 状態
サイトとSNSを測る やっている。 毎日1回、自動で集めている
ゲームの中を測る やっていない。 ただし6-5の記録を使えば測れる

やっていないことを「やっている」ように書かないほうが、あなたの役に立ちます。 どこまでが実績で、どこからが設計かを分けます。

サイトは訪問を測ります

いま測っているものです。

測っている対象   7つ(サイト3つ、SNS4種)
溜まっている量   毎日1回のスナップショット。多いものは103日分
保存の形         1行1日で追記していくだけのファイル

スナップショットとは、その日の数字をそのまま写し取った1行のことです。写真を撮るように、毎日1回、その時点の数字を控えておきます。

大事なのは、毎日1回、同じ形で溜めることです。

理由は、あとで比べるためです。いまの数字だけ見ても何も分かりません。先週より増えたのか減ったのかで、初めて意味を持ちます。

追記だけにします

6-5で「起きたことを残す」と書きました。統計も同じです。

やり方 結果
最新の数字で上書き 過去が消える。比べられない
1日1行を追記 いつでも遡れる

上書きしないでください。 統計の画面はたいてい過去に遡れる期間が決まっていて、後から欲しくなったときには消えています。

僕は一度これで困りました。だから自分の手元に、毎日コピーを取るようにしています。

ゲームの中は「記録」で測ります

ここが設計の話です。新しい仕組みは要りません。 6-5で作った記録がそのまま使えます。

6-5では、1回ごとにこう残しました。

{ "round": 1, "mine": "ichi", "theirs": "yon", "result": "lose" }

読み方はこうです。「1回目の勝負で、自分は ichi の札、相手は yon の札を出して、負けた」。これが1回ごとに1件ずつ増えていきます。

これが溜まると、こういうことが分かります。

知りたいこと 記録から出す方法
どこでやめたか 記録が何回目で途切れているか
難しすぎないか 1回目で負けた人の割合
飽きられていないか 2回目を遊んだ人の割合
使われない札 出された回数が極端に少ない札

1番目が「離脱」です。 5回勝負なのに記録が2件で終わっている人が多ければ、そこでやめられています。

そして4番目が地味に効きます。 誰も出さない札は、弱いか、意味が分かっていません。6-6の測定では見つからない問題です。

三つの的なら、材料はすでにあります。6-5で残した記録には、1手ぶんに「何手目・自分がどの札をどの的へ・相手がどの札をどの的へ」が入っているので、的ごとに置かれた札の数字を数えれば、どの的が取りに行かれて、どの的が捨て場所にされているかが出ます。 3つの的は仕組みのうえでは同じものなので、偏りが出たら並び順や名前の見え方が効いている、と読めます。

手元に溜めるか、送るか

ここで判断が必要です。6-4と同じ話です。

どこに溜めるか できること
ブラウザの中 自分の遊び方しか分からない
サーバーへ送る 全員の遊び方が分かる。ただし置き場と本人確認が要る

遊ぶ人の記録を集めたいなら、送る必要があります。 そしてそれは「他人のデータを預かる」ことなので、6-4で書いたとおり軽い判断ではありません。

最初は送らないでいいです。 自分と、遊んでくれた数人に聞く方が速いです。人数が増えてから考えます。

数字を見るときの決めごと

測り始めると、数字に振り回されます。先に決めておきます。

決めごと なぜ
見るのは週1回 毎日見ても増減の意味が分からない
見る数字は3つまで 全部見ると何も判断できない
比べる相手は過去の自分 他人の数字と比べても打ち手が出ない
増減の理由を1つ書く 書けないなら、まだ測る意味が無い

3番目が効きます。 他人の数字を見ると落ち込むだけで、次の行動が出てきません。

そして4番目が一番大事です。 「増えた/減った」で終わる観測は、続けても何も変わりません。理由の仮説を毎回1つ書いてください。当たっていなくて構いません。

やってみる

  1. 測る対象を1つだけ決める

    まずサイトの訪問だけにしてください。SNSもゲームの中も、後です。

  2. 測る仕組みを入れる

    置き場の管理画面に、訪問の数を見る機能が付いていることが多いです。まずそれで足ります。

    足りなくなってから計測タグを入れてください。 計測タグとは、Google Analytics のような計測サービスが用意している短いコードで、ページに貼り付けると訪問が記録されるようになります。この講座のサイトには、まだ入れていません。

  3. 手元に毎日1行を残す

    自動にするのは7-3でやった形と同じです。

    毎日1回、数字を取って、1行追記する
    

    最初は手で書いても構いません。続けられる形が正解です。

    手書きが続かなくなったら、仕組みにする作業をAIへ渡します。

    claude -p "訪問数を stats.csv へ毎日1行追記する仕組みを作って。形式は 日付,数字 のカンマ区切り。同じ日に2回実行しても2行にならないように。上書きは絶対にしないで。"
    

    「上書きはしないで」を必ず入れてください。 この術の芯(追記だけにする)が、指示の1行になっています。

  4. 1週間分溜めてから見る

    1日目に見ないでください。溜まっていない数字からは、何も出ません。

  5. 増減の理由を1つ書く

    7/30 訪問が増えた → 前日にSNSへ投稿したから、たぶん
    

    「たぶん」で構いません。 書いておくと、次に同じことをしたときに検証できます。

  6. 保存する

    git add .
    git commit -m "訪問の記録を毎日残すようにした"
    git push
    

つまずきどころ

数字が小さすぎて意味がなさそう

最初は必ずそうなります。それでも記録してください。 増えたときに「いつから増えたか」が分かるのは、記録があるからです。

毎日見てしまう

見るのは週1回に決めてください。日々の上下は、ほとんど意味がありません。

他の人の数字と比べて落ち込む

比べる相手は先週の自分だけです。規模が違う相手と比べると、打ち手が出ません。

どの数字を見ればいいか分からない

まず訪問数だけです。次に「2回目に来た人がいるか」。1回目は宣伝で来ますが、2回目は中身が良かったから来ます。だから、この2つ目が「作ったものが効いているか」を映します。この2つで、ほとんどの判断ができます。

遊ぶ人の記録を集めたい

送る仕組みが必要で、他人のデータを預かる判断になります。遊んでくれた人に直接聞く方が、最初は速くて正確です。 それは次の術でやります。

測ったのに何も変わらない

理由の仮説を書いていないからです。数字は行動を決めるためにあります。 見るだけなら測らなくていいです。

Windows の場合

差はありません。

次の一歩

今日の訪問数を1行、どこかに書いてください。

明日も書いてください。それが1週間続いたら、この術は身についています。 道具は後から良くできますが、続ける習慣は後から作れません。

数字が見えるようになりました。次は数字では出てこない「言葉」を集めます!

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