これから作る三つの的
これからこのゲームを事例に、一緒にゲームを創っていきます。見本ゲーム「三つの的」です。下にあるのは6章まで進めた完成形。そのまま遊べます。まず1回遊んで、目的地を体で知ってから読み進めてください。
なぜ要るか
道具は揃いました。ここからは何を作るかです。
最初にやることは、作りたいものを削ることです。 増やすのではありません。削ります。
理由はひとつです。大きい企画は完成しないからです。 「オンライン対戦で、キャラが育って、ランキングもあって」という企画は、9割が途中で止まります。手が止まった企画は0点です。小さくても遊べる方が、比べものにならないくらい価値があります。
だから最初の1本は1画面にします。画面が1つなら、迷子になりません。
AIプロンプト
この術の作業をAIへ任せるときは、これをそのまま貼ってください。
下の企画を、1画面で遊びが完結する形へ削る案を3つください。
それぞれ「画面にあるもの4〜6行」と「一番おいしい30秒はどこか」を添えて。
(ここへ企画を貼る)
(ここへ企画を貼る)の部分は、自分の企画の文章に置き換えてください。
1画面に削るとは
「画面を切り替えずに、そこで遊びが完結する」という意味です。
こう考えると分かりやすいです。スマホの写真1枚に、ゲームの全部が写るか。 写るなら1画面です。
例を出します。
| 1画面で成立する | 画面が増えるもの |
|---|---|
| じゃんけん、数字の勝負 | メニュー→ステージ選択→本編 |
| パズルを1面だけ | ワールドマップを歩く |
| クリック連打の記録 | 会話シーンとバトルの切り替え |
タイトル画面もメニューも、今は要りません。 あとで足せます。
実例: 大きさのちがう3本、ぜんぶ1画面
抽象論で終わらせたくないので、実際に僕が作って公開しているものを3本見てください。大きさはまったく違いますが、全部1画面です。
1本目は、この講座の見本ゲーム「三つの的」です。 3章から、あなたと同じ手順でこれを作っていきます。
スマホの写真1枚に、遊びの全部が写っています。相手の伏せ札(裏向きに置かれて中身が見えない札)、的が3つ、自分の手札、どちらがリードしているか。手札3枚と的3つと勝敗表示だけでも、遊びは成立するという実物です。
2本目は忍術ラボ。 素材をスワイプで重ねて熟成させる、2048型のパズルです。2048型とは、同じもの同士がぶつかると1つ上のものに変わっていく、あの積み上げ系パズルのことです。
キャラも演出もにぎやかですが、遊びの中心は素材を重ねる盤ひとつです。にぎやかさと画面の数は別の話だ、ということです。
3本目がいちばん大きい、CNPトレカです。
要素はかなり多いです。相手のユニット、相手のサポート、拠点が3つ、自分のサポート、自分のユニット、手札5枚、ターンエンドのボタン。それでも対戦中は画面が切り替わりません。 全部この1枚に収まっています。
ここが大事なところです。1画面とは、要素が少ないことではありません。 遊びがそこで完結していて、途中で別の画面へ飛ばされないことです。CNPトレカがこの情報量を1画面に押し込んでいるのは、対戦の途中で画面が変わると読み合いが途切れるからです。次の術で決める「面白さ」を守るために、1画面にしています。
あなたの最初の1本は、この3本のいちばん小さいやつ——三つの的の大きさから始めます。
やってみる
企画メモを置く場所を作る
1-6で作ったリポジトリの中へ移動します。企画メモも、道具のメモと同じ場所に置いておくためです。
cd my-first-gamedocs/plan.mdを作って、4つだけ書く1-6で作った
docsフォルダの中に、plan.mdという名前で新しく作ります。これが企画メモになります。多く書かないでください。この4つで十分です。# 企画メモ ## 何を作るか 1画面で遊べる、2人用のカードゲーム。 ## 1画面に何があるか - 相手の手札(裏向き。枚数だけ見える) - 的が3つ(それぞれに、相手の置いた札と自分の置いた札が並ぶ) - 自分の手札 3枚 - 勝敗の表示 ## 誰と遊ぶか 目の前にいる友達と、1台のパソコンで交代しながら。この例は、そのまま見本ゲーム三つの的の企画メモです。上の実例で見た画面は、この4項目から始まっています。
「1画面に何があるか」を4〜6行で書く
ここがこの術の本番です。画面に見えるものだけを書きます。「楽しい演出」のような見えないものは書きません。
6行を超えたら、それは1画面に収まっていません。削ってください。
保存して送り返す
git add . git commit -m "企画メモを作った" git push残ったことを確認する
GitHubのページを再読み込みすると、
docsフォルダの中にplan.mdが並んでいます。これがこの先ずっと戻ってくる場所になります。迷ったらここを見ます。
つまずきどころ
削ると面白くなくなる気がする
逆です。削ると面白さが分かります。 要素が多いと、何が面白いのか自分でも見えません。1画面まで削って残ったものが、そのゲームの芯です。
アイデアが大きすぎて1画面にならない
「その企画の一番おいしい30秒」を切り出してください。遊んでいる人が一番楽しい瞬間はどこか、と考えることです。RPGなら戦闘の1回だけ。レースなら1コースだけ。それが最初の1本です。
自分では削れないときは、削る案をAIに出させます。
下の企画を、1画面で遊びが完結する形へ削る案を3つください。
それぞれ「画面にあるもの4〜6行」と「一番おいしい30秒はどこか」を添えて。
(ここへ企画を貼る)
候補を出させて、選ぶのは自分です。 どれを残すかの判断まで渡すと、自分の企画でなくなります。
2人用にすると難しくなりませんか
なります。次の術以降で、必要なら相手をコンピュータに変える判断もします。いまは「誰と遊ぶか」を書いておくだけで構いません。
Windows の場合
git コマンドは同じです。ファイル作成は PowerShell なら notepad docs\plan.md です。
次の一歩
書いた「1画面に何があるか」を、紙に手で描いてみてください。30秒の落書きで構いません。
絵にすると、足りないものと余っているものが一目で分かります。次の術では、この企画の面白さを1行にします!



