第1章 環境設定/8 本目 / 全 9/約20分

音と声を作る道具を選ぶ

こより

手触りを一番安く上げられるのが音だよ。押したら鳴る、それだけで別のゲームに感じる。

案内役 こより
この術でできるようになること

音と声の出どころが決まっている

画像は押すと原寸で開きます。

なぜ要るか

音は後回しにされがちですが、手触りを一番安く上げられるのが音です。

ボタンを押したときに「カチッ」と鳴るだけで、同じゲームが別物に感じます。絵を描き直すより短い時間で、遊んだ感じが変わります。

だから最初に出どころだけ決めておきます。作るのは5章です。ここでは「どこから持ってくるか」を決めて書き留めるだけです。

道具の一覧は 道具箱 にあります。

AIプロンプト

この術の作業をAIへ任せるときは、これをそのまま貼ってください。

和風、太鼓と笛、ゆっくり、戦いの前の緊張感、ループ再生向き、歌なし

場面と楽器と速さの部分は、自分の企画に置き換えてください。

音は3種類に分かれます

まとめて「音」と考えると迷います。3つに分けると決めやすくなります。

種類 何のためか 長さ
効果音 押した、当たった、勝った 1秒くらい
BGM 遊んでいる間ずっと流れる 1〜2分
キャラが喋る 数秒

優先順位は効果音がいちばん上です。 BGMが無くても遊べますが、押しても何も鳴らないゲームは反応が悪く感じます。声は最後で構いません。

道具

道具 使いどころ
Suno 曲を作る。BGM向き。イメージを言葉で伝えると曲になる
ACE-Step 曲を作る。自分のGPUで回せるオープンソース
ElevenLabs 声を作る。キャラの声。自分の声を写し取ることもできる
Whisper 声を文字にする。喋った内容を台本に起こす時に使う

この4つは、どれも「言葉で頼むと音が返ってくる」道具です。楽器が弾けたり、声優ができたりする必要はありません。

僕の作業記録で登場回数が多いのは ElevenLabs です。キャラに喋らせる場面が多いからです。声はキャラの印象を決めるので、ここに手をかけると効きます。

効果音については、まず無料の効果音素材を探すのが早いです。 1秒の「カチッ」を生成AIで作るより、既にあるものを持ってきた方が速くて確実です。生成AIが強いのはBGMと声です。

曲は「借りる」か「自前で回す」かで選べます

曲を作る道具は、性質が2つに分かれます。ここを知っておくと選びやすくなります。

GPUというのは、パソコンの中で映像や計算をまとめて処理する部品です。AIを自分の手元で動かすときは、ここの性能が要ります。

Suno ACE-Step
使い方 サービスに登録して使う 自分のパソコンやGPUで動かす
始めやすさ すぐ使える 環境を作る手間がある
費用 プランに応じてかかる 電気代とGPU代だけ
作ったものの扱い サービスの規約に従う オープンソース(Apache 2.0)
量を作るとき 枚数や時間の制限を受ける 制限は自分のGPU次第

最初の1曲なら Suno です。 登録してすぐ試せます。

ACE-Step が向くのは、量を作るようになってからです。オープンソースというのは、中身が公開されていて誰でも自由に使える形で配られているものを指します。自分の環境で回せて、規約や枚数制限を気にせず何度でも試せます。歌入りも作れて、8GBのVRAMがあれば動くとされています。VRAMはGPUが持っている作業用のメモリで、この量が足りないと動きません。GPUを持っていない場合は、1-6で触れたようにGPUを時間で借りる手もあります。

僕の感覚では、曲を1〜2曲入れるだけなら借りる方が速く、何十曲も試すなら自前で回す方が安く済みます。 ゲームのBGMは前者、動画を量産するなら後者です。

権利のことだけ先に

使う前に、その道具の利用規約で「作ったものを自分のゲームに使えるか」を確認してください。

生成AIのサービスは、無料プランと有料プランで扱いが違うことがあります。公開して人に遊んでもらう予定があるなら、ここは飛ばさない方がいいです。あとから差し替えるのは面倒です。

料金も規約も変わるので、この記事に金額や条件は書きません。各サイトで確認してください。

やってみる

前の術で作った docs/tools.md に書き足します。

  1. 効果音をどこから持ってくるか決める

    無料素材か、生成するか。迷ったら素材からで構いません。

  2. BGMが必要か決める

    必要なら Suno。最初の1本では無しでも成立します。

  3. 声が必要か決める

    キャラが喋るなら ElevenLabs。喋らないなら要りません。

  4. docs/tools.md に書き足す

    前の術で書いた「絵」「3D」の下へ、続けて足します。書き換えるのではなく、増やしていく形です。

    ## 音
    - 効果音とBGMは Suno で作る
    
    ## 声
    - キャラの声は ElevenLabs で作る
    - 自分の声を録って文字にするときは Whisper
    
  5. 保存して送り返す

    cd my-first-game
    git add .
    git commit -m "音と声の道具を決めた"
    git push
    
  6. 1枚にまとまったことを確認する

    絵・3D・音・声が、1つのファイルに並びました。

    GitHubで docs/tools.md を開き、絵・3D・音・声の道具が並んでいる画面

    これで「このゲームは何で作られているか」が一目で分かる状態になりました。人に説明するときにも、そのまま使えます。

つまずきどころ

全部いるのか分からない

いりません。効果音だけで始めて構いません。 足りないと感じた時に足す方が、無駄が出ません。

イメージ通りの曲が出ない

言葉が足りていない可能性があります。「明るい曲」ではなく、場面と楽器と速さを添えてください。Sunoに渡すならこの形です。

和風、太鼓と笛、ゆっくり、戦いの前の緊張感、ループ再生向き、歌なし

絵と同じで、具体的に頼むほど近づきます。本格的な頼み方は5章でやります。

自分の声を使うのは恥ずかしい

キャラの声を使えば済みます。ただ、自分の声はあなたにしか出せない差でもあります。抵抗がなければ試す価値はあります。

Windows の場合

この術で使うのは git コマンドだけなので、macOS と同じです。ファイルを開くところだけ notepad docs\tools.md になります。

次の一歩

効果音を1つだけ用意して、パソコンで鳴らしてみてください。まだゲームには入れなくて構いません。

「この音が自分のゲームで鳴る」と想像できたら、それで十分です。音が入ると、一気にゲームらしくなります!

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