なぜ要るか
ゲームは見た目で遊ばれます。中身が同じでも、絵が良ければ遊んでもらえます。
ところがここで多くの人が止まります。道具が多すぎるからです。絵のAI、3DのAI、加工するソフト。全部試そうとすると、作る前に力を使い切ります。
先に決めてしまえば迷いません。 この術では、あなたが作るゲームに必要な道具だけを選んで、リポジトリに書き留めます。試すのは次の章からで間に合います。
道具の一覧は 道具箱 にまとめてあります。ここでは選び方だけ話します。
AIプロンプト
この術の作業をAIへ任せるときは、これをそのまま貼ってください。
横長のタイトル画像を作って。和風のカードゲーム、夜、月あかり。中央に大きく『はじめてのゲーム』と入れて。
場面(和風、夜、月あかり)と『はじめてのゲーム』は、自分の企画に置き換えてください。
まず分かれ道が1つ
3Dが必要かどうかです。ここだけ先に決めてください。
| 作りたいもの | 必要なもの |
|---|---|
| カードゲーム、パズル、2Dのアクション | 絵だけ |
| キャラが立体で動く、空間を歩き回る | 絵+3D |
迷ったら2Dで始めてください。3Dは作る量が跳ね上がります。僕の作業記録を見ると、3D関連の手数は2Dの比になりません。最初の1本を完成させることが目的なら、2Dが正解です。
3Dは4章で扱います。そこまで来てから決め直しても構いません。
絵の道具
標準は Codex の画像生成(gpt-image-2)にします。 gpt-image-2 は、言葉から絵を作るAIの名前です。Codex に画像を頼むと、内部でこれが動きます。理由は3つです。
- 道具が増えない。 Codex を入れていれば、そのまま画像も作れます。別のサービスに登録する必要がありません
- 頼み方が同じ。 これまでの術と同じように日本語で頼めば、画像が返ってきます
- 文字が崩れにくい。 タイトルロゴのように文字が入る絵で差が出ます
codex exec "横長のタイトル画像を作って。和風のカードゲーム、夜、月あかり。中央に大きく『はじめてのゲーム』と入れて。"
しばらく待つと、いまいるフォルダの中に画像ファイルができます。どこに何という名前で置いたかは、Codex が最後に報告してくれます。
見本ゲームの「三つの的」で同じ絵を頼むなら、「和風のカードゲーム」を世界観の言葉に置き換えます。
codex exec "横長のタイトル画像を作って。夜の里、深い藍色、月あかり。口寄せ使いの少女が手を上げて立つ。中央に大きく『三つの的』と入れて。"
「和風」が「夜の里」と「藍」に、「カードゲーム」が「口寄せ」に変わっただけです。 頼み方の形は同じなのに、返ってくる絵の幅は一気に狭まります。この3語は2-6で決める世界観から引いたもので、6-9のタイトル画面(題字と「呼んで、任せる。」の一言)も同じ言葉でできています。
Claude Code には画像生成が付いていないので、絵だけは Codex に頼みます。ここは道具を分けます。
他の選択肢も置いておきます。
| 道具 | 向いていること |
|---|---|
| Nano Banana | キャラや背景を1枚作る。手軽さで選ぶなら |
| fal.ai | いろいろなモデルをまとめて叩ける。凝り出したら |
| see-through | 1枚絵をパーツに分解する。キャラを動かす段階で必要になる |
どれか1つで数十枚作るのが上達の近道です。 道具を2つ持っても、うまくならないうちは違いが分かりません。
この推奨は変わります
念のため書いておきます。ここに書いた「標準」は 2026年7月時点でのおすすめです。
画像生成は入れ替わりが激しい分野で、半年後には別のものが一番になっている可能性が高いです。実際、僕もこの1年で何度も乗り換えています。
だから道具に詳しくなるより、頼み方が上手くなる方が長く効きます。「和風、夜、月あかり、中央に文字」のように場面を具体的に伝える力は、どの道具に移っても使えます。この記事の推奨が古くなっていたら、道具箱 の方を見てください。そちらを更新していきます。
3Dの道具
3Dが必要になった場合の道具です。今は読み流して構いません。
3Dモデルとは、立体の形のデータのことです。生成AIに作らせたあと、形の崩れを直したり、色を貼ったりする作業が必要になります。それをやるのが Blender です。
僕の作業記録では、Blender の手数が Meshy より多いです。生成AIで一発で終わることはほぼなく、直す作業が必ず来ます。3Dをやるなら、生成ソフトより直すソフトに慣れる方が効きます。
費用の考え方
料金は変わるので金額は書きません。代わりに判断の順番だけ決めておきます。
- 無料枠で数枚作る。 無料枠とは、お金を払わずに試せる回数のことです。出来を自分の目で見る
- 気に入ったら1つだけ課金する。 複数同時に払わない
- 使わなくなったら解約する。 動いていない道具に払い続けない
道具を増やすほど強くなる気がしますが、実際は逆です。1つを使い込んだ方が出来が上がります。
やってみる
決めた内容をリポジトリに残します。頭の中だけに置くと、来週には忘れています。
2Dか3Dかを決める
迷ったら2Dです。
絵の道具を1つ選ぶ
迷ったら Codex の画像生成です。Codex を持っていなければ Nano Banana から。
書き留める場所を作る
cd my-first-game mkdir docsmkdirは新しいフォルダを作るコマンドです。ここではdocsという名前のフォルダを作り、決めたことを書いたメモをこの中へ入れていきます。docs/tools.mdに書くdocs/tools.mdは「docsフォルダの中のtools.mdというファイル」という意味です。エディタで作って、こう書きます。# このゲームで使う道具 ## 絵 - キャラと背景は Codex の画像生成で作る - 手軽に済ませたいときは Nano Banana も試す ## 3D - 今回は2Dゲームなので使わない - 3Dにしたくなったら Meshy から始める保存して送り返す
git add . git commit -m "絵と3Dの道具を決めた" git push残ったことを確認する
GitHubで開くと、決めた内容が残っています。
このファイルは、あとで AI に読ませることもできます。「docs/tools.md に書いた道具で進めて」と頼めるようになります。
つまずきどころ
どれが一番いいのか決められない
「一番いい」は決まりません。作るものによって変わるからです。1つ選んで10枚作るのが最短です。合わなければ乗り換えれば済みます。
全部試したくなる
その気持ちは4章まで取っておいてください。今の目的は「1本完成させる」ことです。道具の比較は完成を遅らせます。
3Dで作りたい気持ちが強い
止めはしませんが、先に2Dで1本完成させることを強くおすすめします。完成の経験がないまま3Dに入ると、終わらないまま止まります。
Windows の場合
mkdir docs はそのまま使えます。ファイルを作るところだけ、PowerShell ならこう書けます。
notepad docs\tools.md
パスの区切りが / ではなく \ になる点だけ気をつけてください。
次の一歩
選んだ絵の道具で、キャラを1枚だけ作ってみてください。上手くなくて構いません。「自分のゲームに使う絵」が1枚あるだけで、作る気持ちが変わります。
道具は決まりました。あとは手を動かすだけです!
