こんにちは、健ちゃんです。
僕は毎日AIで3Dモデルを開発していますが、ふと思い立って「BOOTHで無料配布しよう」となり、先日実際にやってみました!
そのときに、配布形式でいろいろ悩んだので、僕の勉強も兼ねて違いを記事にまとめてみました。
VRM・FBX・Blender、3Dモデルはどの形式を選べばいい? 同じキャラで比べました
AIで3Dキャラクターを作ったあと、VRM、FBX、Blenderという3つの形式を前にして止まったことはありませんか。
僕も、形式名だけを見ていると「同じモデルなら、どれを選んでも大きくは変わらない」と思っていました。
でも、同じシャオランのモデルを3形式で開き直すと、持ち越せる情報がかなり違ったんです。
先に結論を言います。
- すぐにアバターとして使いたいなら、VRM
- Unityなどへ持ち込み、受け側で設定するなら、FBX
- 形、衣装、リグまで深く直したいなら、Blender作業ファイル
大事なのは、形式の人気ではなく「次に何をするか」で選ぶことですよ。
比較したのは、同じシャオランです
今回は、一忍のメルマガ登録特典として配布しているシャオラン3Dモデル v1.0.0を使いました。
比較したのは、同じ配布zipに入っている次の3ファイルです。
xiaolan.vrmfbx/xiaolan.fbxxiaolan.blend
Blender 5.1の初期状態から、それぞれを再読込しました。見た目の印象ではなく、オブジェクト、骨、表情、材質、揺れ設定を実データで確認しています。
結果はこうなりました。
| 確認項目 | VRM | FBX | Blender作業ファイル |
|---|---|---|---|
| 読込後のオブジェクト | 28 | 8 | 35 |
| メッシュ | 8 | 7 | 17 |
| 骨 | 90 | 114 | 114 |
| 表情・シェイプキー | 13表情+Basis | 14 | 47 |
| 材質 | 16 | 14 | 15 |
| 揺れ設定 | 11 springs・9 colliders | VRM固有設定なし | 制作時の設定を保持 |
数字が多いほど優秀、という表ではありません。
それぞれが「何をするためのファイルか」によって、必要な情報が違うんです。
VRMは、アバターとして使う準備がまとまっている
VRMの強みは、人型アバターとして扱うための約束が決まっていることです。
公式仕様では、Humanoid、表情、視線、MToon、SpringBoneなどがVRMの機能として整理されています。つまり、対応アプリが「これは頭の骨」「これは笑顔」「これは髪の揺れ」と解釈しやすいんです。
今回のVRMにも、54個のHumanoid bone、13個の実変位モーフ、11個のspring、9個のcolliderが入っていました。
そのため、配信やモーション確認のように「まず動かしたい」ときは、3形式の中で最初に試しやすい選択です。
ただし、VRMは制作途中のBlenderファイルを丸ごと保存したものではありません。
今回もBlenderへ読み戻すと90 bonesで、作業ファイルの114 bonesより少なくなりました。制御用の骨や制作途中の構造まで戻して編集する用途には向きません。
公式にも、VRMは汎用シーン形式ではなく、人型キャラクターをランタイムで扱いやすくするための形式として説明されています。
つまりVRMは「完成アバターを使う形式」なんです。
FBXは、骨とメッシュを別ソフトへ運びやすい
FBXの強みは、Blender、Unity、Unreal Engineなど、多くの3Dソフトやゲームエンジンで交換に使われていることです。
今回のFBXは、Blenderへ読み戻したときに114 bonesと14 shape keysを保持していました。作業ファイルと同じ骨数なので、モデルを別環境へ運ぶ入口としては頼れます。
一方で、VRM固有のHumanoid割り当て、表情プリセット、MToon、SpringBoneが、そのままFBXの共通仕様になるわけではありません。
髪を揺らしたいならゲームエンジン側の物理設定、アバターとして扱いたいならHumanoid設定、見た目を合わせたいなら材質設定が必要になる場合があります。
今回のFBXも、5枚のテクスチャを別ファイルとして同梱していました。
FBXは「完成アバターをそのまま再生する形式」というより、骨とメッシュを受け渡し、到着先で仕上げる形式と考えると分かりやすいですよ。
Blender公式マニュアルも、FBXをアニメーションキャラクターや複雑なシーンをソフト間で交換する形式として説明しています。
Blender作業ファイルは、いちばん深く直せる
Blender作業ファイルには、完成モデルだけでなく、制作に使った構造も残っています。
今回の.blendには、35 objects、17 meshes、114 bones、47 shape keys、15 materials、5 packed imagesがありました。
VRMやFBXよりオブジェクトとシェイプキーが多いのは、配布用に整理される前の制作情報を持っているからです。
形を直す、衣装の貫通を直す、新しい表情を足す、骨の位置を調整する。こうした作業では、Blenderファイルを正本にしたほうが戻りやすいんです。
ただし、.blendを開いたからといって、そのまま配信アプリやゲームで使えるわけではありません。
編集後は、用途に合わせてVRMやFBXへもう一度書き出し、設定を確かめる必要があります。
Blender作業ファイルは「使うための最終形式」ではなく、「直すための正本」と考えるのがよいですね。
形式は、失いたくないものから逆算する
僕が今回いちばん大事だと感じたのは、ファイル形式を機能の多さだけで選ばないことです。
たとえば、配信で表情や髪の揺れをすぐ確かめたい人が、最初からFBXを選ぶと、Humanoidや揺れを設定し直す可能性があります。
逆に、衣装の形を直したい人がVRMだけを正本にすると、制作時のオブジェクト構成や制御情報へ戻りにくくなります。
次の順で考えると迷いません。
- まず、完成アバターを今すぐ動かしたいのか
- ゲームエンジン側で作り込むのか
- 形やリグそのものを編集するのか
1ならVRM、2ならFBX、3ならBlender作業ファイルです。
複数の用途があるなら、Blender作業ファイルを制作の正本として残し、用途ごとにVRMとFBXを書き出す運用が安全です。
同じ3形式を、自分の環境で確かめられます
今回比較したシャオラン3Dモデル v1.0.0は、一忍のメルマガ登録特典として受け取れます。
VRM、FBX、Blender作業ファイルに加え、テクスチャとUV展開図を含む全28ファイルです。
特典版は、改変と商用利用が可能です。モデル本体、改変データ、変換データの再配布はできません。
この記事だけでも形式は選べますが、同じモデルを実際に開くと、違いがもっと具体的に分かるはずです。
なお、今回比較したのはメルマガ特典版v1.0.0です。BOOTHで配布しているVRM版や、開発中の別リリースとは利用条件と内容が異なります。
まとめ
VRM、FBX、Blender作業ファイルは、同じ見た目を別の拡張子で保存しただけではありません。
- VRMは、完成アバターをすぐ使う
- FBXは、別ソフトやゲームエンジンへ運んで仕上げる
- Blender作業ファイルは、形やリグまで深く直す
最良の形式は1つではなく、次にする作業で変わります。
僕なら、編集できるBlender作業ファイルを正本として残し、使う場所に合わせてVRMとFBXを選びます。
形式を選ぶときは、「何が入っているか」だけでなく、「次の場所で何をやり直すか」まで見てくださいね!
