第1章 環境設定/1-5/約25分

AIへの指示をルール化して毎回同じ品質にする

この術でできるようになること

ルールファイルが効いている

画像は押すと原寸で開きます。

なぜ要るか

ここまで何回か頼んでみて、こう思ったはずです。「毎回同じことを言っている」と。

日本語で答えてほしい。CSSは分けないでほしい。見た目はこの雰囲気で揃えてほしい。頼むたびに書き添えるのは無駄です。しかも書き忘れた回だけ出来が落ちます。

リポジトリに1つファイルを置いておけば、AIが毎回それを読んでから作業します。 言わなくても揃うようになります。ここを作っておくかどうかで、この先の作業の質が変わります。

使う道具: Claude Code

ルールは AGENTS.md に書きます

先に置き場所を決めておきます。ルールの本体は AGENTS.md に書きます。

理由は、AGENTS.md が道具をまたいで通じる名前だからです。Codex はこのファイルを読みます。他のAIも増えてきています。ここに書いておけば、道具を乗り換えても書き直さずに済みます。

ただし1つ注意があります。Claude Code は AGENTS.md を直接読みません。読むのは CLAUDE.md です。 そこで、CLAUDE.md は1行だけにして、AGENTS.md を読み込ませます。

@AGENTS.md

この1行だけのファイルを置けば、中身は AGENTS.md に集約できます。同じルールを2箇所に書かないのが大事です。

やってみる

  1. リポジトリの一番上に AGENTS.md を作る

    場所が大事です。my-first-game の直下に置きます。

    cd my-first-game
    
  2. 守ってほしいことを日本語で書く

    お好きなエディタで AGENTS.md を作り、こう書きます。僕が実際に使ったものです。

    # このゲームのルール
    
    - 返事は日本語で書く。
    - 新しく作る画面は、背景を暗い色、文字を明るい色にする。文字は画面の中央に置く。
    - CSSは同じHTMLファイルの中に書く。別ファイルにしない。
    - 同じ処理を2箇所に書かない。すでに同じことをしている場所があれば、そこを直して使い回す。
    - ファイルを消す前に、必ず何を消すか先に伝える。
    

    コツは具体的に書くことです。「いい感じにして」では効きません。「暗い背景・明るい文字・中央寄せ」まで書きます。

    4行目がいちばん効くルールです。理由は次の節で説明します。

  3. CLAUDE.md を1行だけ作る

    Claude Code に AGENTS.md を読ませるための橋渡しです。

    echo "@AGENTS.md" > CLAUDE.md
    
  4. 保存する

    git add .
    git commit -m "AIへのルールを追加"
    
  5. ルールを書いていないことを頼んでみる

    ここが確かめどころです。見た目の指定を一切せずに、新しい画面を作らせます。

    claude -p "credits.html を作って。作った人の名前を1行書いて、index.html に戻るリンクを付けて。"
    
  6. 返事を読む

    実際に返ってきたのがこれです。頼んでいない指定が、全部入っています。

    credits.html を作りました。
    
    - 作った人の名前を1行: 「作った人: kentaroh7777」
    - index.html に戻るリンク: 「ゲームにもどる」
    - 背景は暗い色、文字は明るい色、中央ぞろえ。
      CSSは同じHTMLファイル内に書いています
    

    「暗い背景」「中央寄せ」「CSSは同じファイル」は、この頼みごとには書いていません。AGENTS.md を読んで守っています。

  7. 開いて目で確かめる

    open credits.html
    

    ルールどおりの画面が出てきます。

    暗い背景に「クレジット」と作った人の名前が中央寄せで表示されたブラウザ画面

  8. 保存する

    git add .
    git commit -m "credits.html を追加"
    git push
    

「同じ処理を2箇所に書かない」を必ず入れる

AIに任せていて、いちばん困るのがこれです。

AIは頼まれた仕事を素直にやります。ただ、すでに同じことをしている場所を探すより、新しく書き足す方が簡単です。だから放っておくと、似た処理が2箇所、3箇所に増えていきます。

そうなると何が起きるか。片方だけ直して、もう片方が古いまま残ります。 直したのに直っていない、という一番やる気を削がれるバグがここから生まれます。ゲームだと「1人プレイでは直ったのに2人プレイでは直っていない」のような形で出てきます。

だから、このルールを最初から入れておきます。

- 同じ処理を2箇所に書かない。すでに同じことをしている場所があれば、そこを直して使い回す。

これを書いておくと、AIは新しく書き足す前に「似たものが既にないか」を探すようになります。まだコードが少ないうちに入れておくのが肝心です。増えてから片付けるのは何倍も大変です。

同じ考え方で、こういうルールも効きます。

- 新しいファイルを増やす前に、いまあるファイルで済まないか確認する。
- 設定や数値は1箇所にまとめて、そこから読む。同じ数字を別の場所に書き写さない。

「作らせる」だけでなく「散らかさせない」。ここまで含めてルールにすると、作り続けられる状態になります。

何を書くとよいか

最初から完璧を狙う必要はありません。同じことを2回言ったら、その時に1行足す。 これで育ちます。

僕が実際に足していったのは、だいたいこの種類です。

種類
言葉 返事は日本語で書く
見た目 背景は暗い色、文字は中央寄せ
作り方 CSSは同じファイルに書く。ファイルを増やさない
散らからせない 同じ処理を2箇所に書かない。設定は1箇所にまとめる
やってほしくないこと ファイルを消す前に何を消すか先に伝える
完成の基準 ブラウザで開いて動くまで確認する

逆に、長すぎるルールは効きが落ちます。10行くらいから始めて、効いていないと感じたら書き方を具体的にしてください。

つまずきどころ

ルールが効いていない気がする

まず置き場所を確認してください。AGENTS.mdCLAUDE.md はどちらもリポジトリの直下です。ls して、README.md と同じ並びに見えていれば正しい場所です。

CLAUDE.md の中身が @AGENTS.md の1行になっているかも確認してください。この橋渡しが無いと、Claude Code は AGENTS.md を読みません。

書いたのに守られない

書き方が抽象的な可能性があります。「かっこよくして」ではなく「背景は #101820、文字は中央寄せ」のように、判定できる言葉にしてください。

ルールが増えすぎた

使っていないルールは消します。生きているルールだけ残すのが、いちばん効きます。

Windows の場合

置き場所も中身も同じです。ファイルを作るところだけ、PowerShell ならこう書けます。

notepad AGENTS.md

メモ帳が開くので、そこに書いて保存してください。橋渡しの CLAUDE.md はこちらです。

"@AGENTS.md" | Out-File -Encoding utf8 CLAUDE.md

ファイル名の大文字小文字はそのままにします。

Codex で進める場合

何もしなくてよいのが、この置き方の利点です。 Codex は AGENTS.md をそのまま読みます。橋渡しの CLAUDE.md は無視されるだけで害はありません。

codex exec "credits.html を作って。"

同じルールで両方が動きます。同じ内容を2箇所に書かずに済むので、道具を行き来しても品質が揃います。

次の一歩

AGENTS.md に、あなた自身のこだわりを1行足してみてください。「ボタンは角丸にする」でも「効果音は必ず付ける」でも構いません。

足したら、また何か作らせて確かめる。ルールが育つほど、頼む言葉は短くなります!

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